独立ブログ

レッスンに込めた思い

こうして突発的に生まれたゲーシーのストーリーが始まった。

子供って難しい

ひとまずGeshiを紹介した後、マイカ、そしてミアの順番に二人を紹介。

持ってきた世界地図と地球儀柄のビーチボールを子供たちに見せながら二人がどこから来たのかを説明して、二人にはそれぞれの国の言葉で自己紹介をしてもらった。

マイラはフィリピン出身なので母国語のタガログ語。

シアはマダガスカル出身なのでマダガスカル語が母国語である。

もちろん僕を含めてそこにいる誰もが本人以外これらの言語を理解できないが、そういった普段なじみのない言語の存在を子供たちに知ってもらいたいと思い、あえてそうしてもらった。

そこで、三人の自己紹介が終わったあとに子供たちにこう伝えた。

「ミナサン、ゲーシーワーカンコクカラキテ、マイカワフィリピン。ソシテ、ミアワ、マダガスカルダカラ、ミンナチガウコトバハナス。ダカラ、ナニイテッルカワカラナイ。デモ、ソンナトキトッテモベンリナコトバアル。シッテルヒト?」

子供達から、日本語~、韓国語~そんな言葉がチラホラ出てきた。

そして一人の子が手を挙げて言った。

「英語~!」

「ソウ!エイゴガデキタラ、ミンナドコニイテモ、オトモダチニナレル。ゲーシー、マイラ、シアモ、エイゴデキルカラオトモダチナレタネ。」

「ダカラミンナモ、エイゴレンシュウシテ、ボクタチトオトモダチナッテクダサイ、ヨロシク!」

すると子供達から大きな声で、

「はーい!」

という返事が返ってきた。

正直僕はこの時緊張気味で、いちいちリアクションを気にしてしまっていた。

子供達が全く話を聞いてくれなかったらどうしよう。

子供達が全く楽しんでくれなかったらどうしよう。

常に何かこちらから話しかけるたびにビクビクしていた。

しかし、子供達は暖かかった。

担任の先生も子供たちをリードしてくれたこともとても助かった。

なんとか悪くはない空気感は保たれていた。

そこで、僕が用意してきた簡単なゲームを行い、みんなの自己紹介をしてもらおうと思った。

ゲームの内容は非常に簡単で、全員が輪になって手を繋ぐ。

そして、こう歌う。

My name is Geshi. I want to be your friend.

マイネーミズ ゲーシー。 アイワントゥービーヨッフレーン。

実際はゲームと言えるほどのものではなく、自分の名前を言った後にみんなと友達になりたいと言うだけのめちゃくちゃシンプルな歌である。

正直、年少さん(3歳~4歳)の言語レベルもわからなかったし、何をしたらウケるかが全くアイデアになかったので、ぶっつけ本番だがとにかく試してみることにした。

コロナ渦ということもあり、直接触れ合うのは慎重にならなくてはいけない時期ではあったが、幼稚園の先生に許可をもらって、しっかり消毒しもちろん全員マスクをして交流しようということになった。

そして、いざみんなで輪になった。

まずはGeshiから。

マイネーミズ ゲーシー。 アイワントゥービーヨッフレーン。

そして次は隣の男の子。

。。。

ポカーン。

あんまり理解できていない様子だ。

担任の先生と僕らで小さな声で何て歌えばいいのかを耳元で伝えると、何とか小さな声で言ってくれたような言っていないようなリアクションだ。

そして次の子の番も大体同じ感じ。

このまま数人続けていったが、みんな元気がないというか恥ずかしがっているように見えた。

初めだから仕方がないのはわかっていながらも、この日の僕は子供たちの反応に非常に敏感になっているため、内心冷や冷やしていた。

すると、近くで見ていた副園長の野尻さんがこう言った。

「これ、マイネーミズゲーシーで止めましょう。ちょっと長いですね~」

えっ!

僕はこれに驚いた。

年少さんというのは、まだこの文章が言えないレベルの言語力なのか!?

名前だけにするとあまりにもあっけない歌になってしまうが、これはプロの先生にしたがってみようと思い、もう一周名前だけでトライした。

すると、子供たちの声はまだ小さいが、確かに一週目よりスムーズに進んでいった。

そして何とか自己紹介終了。

コンセプトが必要な理由

そして次、もう一つ考えてきていたゲームがあった。

その名も、

I want to go to see the world.

このゲームもルールは簡単で、みんなで上の歌詞を手拍子をしながら三回歌い、最後に僕が誰かの名前を言う。そしてその名前を言われた人は、なんでもいいので体全身を使ってその時思いついた好きなポーズをとる。そして次にそれ以外の全員がそのポーズの真似をするというものだ。

歌詞の流れはこんな感じだ。

I want to go to see the world.

I want to go to see the world.

I want to go to see the world.

I want to go…..Geshi!!!

とにかくもうあたって砕けろ状態。

簡単にルールを担任の先生と子供たちに説明してスタート。

クラッピョーヘンズ!クラッピョーヘンズ!

大きな声で手拍子を煽りながらみんなで歌い出した。

まずは見本を見せようと思い、I want to go~マイカ!!!

そう言ってマイカを指名し、マイカになんでもいいのでポーズを取ってもらった。

立ったまま両手を地面について片足を上げるというなかなかダイナミックなポーズを決めてくれた。

そのおかげで結構子供たちがよろけたりして笑ってくれたので、教室内の空気が温かくなった。

マイカに対して、心の中でとびっきりのサンキューを唱えた。

そして、次々とゲームを行い子供たちの名札を見ながら指名していく。

すると、子供達もやり方を理解するにつれて少しずつ楽しんでくれている様子で、時間も少し経ったせいで慣れてきたのか、結構大きな声で話す子も出てきた。

そして、その空気感のおかげで僕も落ち着きを取り戻してきていた。

良かった。

素直にホッとした。

そして何より、この時僕がホッとした理由は、子供たちがこのゲームを楽しんでくれているように感じたからだ。

というのも、実はこのゲームには僕がこれから主として行きたい事業のコンセプトを裏の意味として反映させていた。

このゲームには、みんな恥ずかしがらずに素直な自分をさらけ出す。

どんなポーズをしてもそれはその人の個性であり素晴らしい。

そしてみんながそれと同じポーズをすることで、その人の個性を認め、受け入れると言った意味が込められてた。

出る杭を打つのではなく、出る杭にみんな乗っかり応援する世の中になってほしいという思いを込めていた。

もちろん子供たちにも先生たちにもそんなことは説明しないし、伝わるわけではないと思うが、僕がどうせレッスンをするのであれば、たとえ伝わらないことかもしれないけど、僕が本当に発信したいことを含ませたいと考えていたのだ。

そんなこんなで約束の15分を経過したのでレッスン終了。

何とか大きなトラブルはなく終えられた。

そしてこの年少クラスでの学びを生かして、年中クラス、そして年長クラスと残りの2クラスの子供たちにレッスンを行わせてもらった。

どちらのクラスも全く同じ流れで行ったのだが、さすが年が一歳、二歳と上なだけあって、その理解度や発言力は年少さんよりもだいぶ上回っていて、レッスンをするのがスムーズだった。

こうして何とか3クラスのレッスンを終え、初めての体験レッスンは終わりを告げた。

自分の中で何点を付けられるのかはわからなかった。

正直、相当やばいと思った瞬間は全クラスを通して無かったと思う。

しかし、大きなヒットを打てた感触もなかった。

ところが、一緒にレッスンを行ってくれたマイラとシアに感想を聞いてみると、二人の感想はこういうものだった。

「とってもよかったわね!Geshiは子供が得意なのね!」

これは意外だった。

自分では基本的に子供が苦手なタイプだと思っていたし、この日は決して満足いく結果ではなった。

だからお世辞のような形でそう言ってくれているのかとも思った。

しかし、この後副園長の野尻さんもこう言ってくれたのだ。

「Geshiさん良かったですよ!初めてなのにこれは大成功ですよ!」

そう言ってくれた野尻さんの顔は決してお世辞で言っているようには見えなかった。

この時やっと僕の中で緊張の糸がほぐれ、素直によかったと安心できた。

なんとかうまく出来たようだ。

そう認めて素直に自分にお疲れ様を言おうと思えた。

こうして初めてのお試しレッスンは終了した。

最後に野尻さん、そして先生たちと子供たちにありがとうございましたとお礼を伝え、三人で幼稚園を後にした。

野尻さんは、また時間見つけてお試しレッスンしましょうと言ってくれた。

~には聞こえなかったのできっと本当に合格点はもらえたのであろうと再度ホッとした。

この日は忘れられないGeshiのデビュー戦となった。

自信を持とう。

俺は出来る。

俺は出来る。

俺は出来る。

いや、俺は絶対にやる!

もう一度自分に言い聞かせて、次はもっと子供たちを楽しませられるように、この日の反省点を改善していこうと思った。